知的障害児施設とは、知的障害を抱えている子どもを保護・保育するための施設で、原則として18歳未満を対象としています(実際にはさまざまな事情で18歳以上になっても入所し続けるケースもあります)。
そのため保育士の勤務先の中では年齢が高い子どもを相手にする施設でもあります。
このページでは、知的障害児施設で働く保育士の役割や実際の仕事内容についてご紹介していきます。
1.知的障害児施設で働く保育士の役割
知的障害児施設で働く保育士には
- 日常生活のケア
- 保育
の2つの役割が求められています。
これは一般の保育園・保育所とは異なる部分も多く、責任が重い面もあるので大変な分、やりがいを感じられる魅力となっています。
日常の基本的な部分を身に付けさせる
知的障害児は年齢に関係なく食事や排泄など日常の基本的な部分がうまくできないケースが多く、その介助を行うのはもちろん、うまく身につけさせるための指導も保育士の重要な役割となっています。
なかなかうまくできずに苛立つこともありますが、うまくできたときにはやりがいや喜びを感じられる部分でもあります。
保育を通しコミュニケーション能力の獲得をサポート
もうひとつの保育ではおもに学習と遊びが行われます。こちらがメインの役割といってもよく、単に障害児が楽しむ機会を設けるだけでなく、情緒や感性の成長、コミュニケーション能力の獲得なども踏まえたうえでさまざまなカリキュラムが行われます。
ポイント

これは保育士だけではなく施設のスタッフが強力・連携しながら多彩なアプローチで取り組んでいく必要がある部分でもあります。
2.実際の仕事内容について
障害児は健常児とは異なり自分で着替えや食事、排泄などを行えないことも多く、この基本的なところから手伝ったり、うまくできるように教えてあげることも重要な仕事内容となっているのです。
ひとりひとりの状態に合わせた保育
知的障害児とひと口に言っても障害のレベルによって症状がかなり異なるため、ひとりひとりの状態に合わせた保育が求められるのも重要な点です。
食事や排泄、会話など基本的な点がうまくできない子も多く、介助しながらも自分でできるよう根気強く教え込んでいく必要があります。これは日ごろ身近に接する保育士にしかできない仕事です。
保育士は親以上に身近に接する立場でもある
子どもたちは入所生活を送っているわけですから、親以上に身近に接する立場として求められることをしっかりこなさなければならないのです。
成長を育むカリキュラムの考案
学習に関しては保育園のように決められたカリキュラムの通りに行っていくよりも子どもたちの年齢や人数、状態に合わせてケースバイケースで内容を決め、うまく行っていく必要があります。
遊びやレクリエーションを通して情緒面の成長を促したり、コミュニケーション能力、集団行動を身につけさせていくことも多く、知識だけでなく実践的なノウハウが求められる部分でもあります。
楽しみながら学習できるようにする
カリキュラムは子供が楽しめるだけでなく、楽しみながらいろいろなものを身につけることができること、障害児同士がコミュニケーションをとることができることを意識して行っていく必要があります。
他のスタッフや保護者との連携
知的障害児施設では看護師などの医療スタッフをはじめさまざまなスタッフが在籍して働いており、日ごろからスタッフ同士が密接な情報交換を行う必要があります。
子どもと直接接する機会が多い保育士はそんな施設の運営において非常に重要な位置を占めているのです。
ポイント

また、保護者に対しては子どもの環境について説明するほか、保護者からこれまでの子供が育ってきた環境や様子を聞いてそれを施設での保育に反映させていくことも重要な仕事です。
3.知的障害児施設の保育士になるには
知的障害児施設の保育士になるにはまず施設からの求人を探すのが第一です。
ただし施設の数は限られていますからなかなか求人を見つけられないことも多く、しかも応募条件を満たしているかどうかもポイントです。
自分に適性があるのかどうかを確認する
上記のことを踏まえた上で、知的障害児施設の保育士になるためには自分に適性があるのかどうかを確認しておきましょう。
食事や排泄を教えたり、集団生活や協調性、コミュニケーションを教えるなど辛抱強さが求められる面もありますし、保護者との連携や相談業務も大事な役割とになります。
ポイント

一般の保育士とは仕事内容はもちろん、求められる資質にも違いがあるのであらかじめ知っておくことが欠かせないのです。
プラスアルファの資格を取得する
知的障害児施設の保育士は、基本的には保育士の資格を持っていればなることができますが、施設によってはさらにプラスアルファの資格を求人の応募条件にしていることもあります。
また保育士の資格のみでも応募できる施設でも他の資格を保有していたほうが給料やキャリアアップで有利になることも多いですし、採用後に取得を求められることもあります。
知的障害児施設の保育士に役立つ資格とは
知的障害児施設の保育士に役立つ資格には社会福祉士・児童指導員任用資格などがありますから、まずこれらの資格を取得したうえで転職を目指すのもひとつの選択肢です。
まとめ
知的障害児施設で働く保育士は幅広く、しかも奥が深い領域にまで踏み込んだ仕事が求められており、大変な面もあるものの適性がある方にとってはやりがいを感じられる職場といわれているのです。
障害児保育は今後さらに環境の充実面が図られていくことは間違いないので就職を考えている方にはチャンスに恵まれやすいといえるでしょう。ただ充実が求められる分、より高度な保育のスキルが求められる部分もあるので今回取り上げたポイントを踏まえたうえで職場探しを行っていきたいところです。
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ホイミー(元保育士)

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