キャリアアップの選択肢が少ないと言われる保育士の仕事において貴重な選択肢となっているのが主任保育士です。
この仕事はいわば保育士の職場における中間管理職といった立場で、現場を統括しつつ保育がしっかり行われているかどうかを確認し、必要に応じて改善のために提案なども行う役割を担っています。
それでは詳しく見ていきましょう。
1.主任保育士の役割と特性
主任保育士のおもな役割は現場を統括するリーダーとして活躍する点です。保育士ひとりひとりが力を発揮できる環境を作ることはもちろん、保育士の指導・教育にもあたります。
もちろん園児と接する機会もあるわけですが、現場での保育よりも運営に深く関わる機会が多くなるのが特徴です。
マネージメントやコミュニケーション力が必要
保育士のシフトの作成と管理、運動会や発表会など施設で実施される行事の企画と準備、さらに保育士と経営側との橋渡し役や保護者の相談窓口としての役割も求められます。
そのため保育士としての十分な経験はもちろん、マネージメントやコミュニケーション能力などの特性も求められます。
保育園のイメージは主任保育士で決まる
責任が重く、万一のことが起こったときには先頭に立って解決に図るほか、最終的な責任を負うことも求められます。それだけにどんなときにも動じず、最善の改善方法を選択できる冷静な判断力などの特性も必要な仕事といえるでしょう。
ポイント
保育園・保育所のイメージや評判は主任保育士によって決まるといっても過言ではありません。
2.主任保育士のやりがいと負担
主任保育士のやりがいは一般の保育士とは少々異なります。クラスを担当することは少なく、現場全体を統括する形で広い視野に立って問題なく保育が行われているかどうかを見守る役割が求められるのです。
主任保育士になるとやりがいも変化する
園児と深く接して信頼関係を築くといったやりがいが少なくなる一方、施設に通う園児が楽しく・充実した環境で過ごせるために努力する喜びややりがいを感じられるようになります。
行事・イベントの企画や準備も主任保育士の陣頭指揮によって進められることが多いため、施設の運営そのものにも大きな影響力を持ちます。
園長の成長とともに保育士の成長も見られる
園児の成長とともに保育士の成長を見届けることができる点も大きなやりがいです。悩みや壁に行き当たっている保育士をサポートし、一人前の保育士としての自信をつけさせる。
それが施設の保育環境の充実にも結びつくだけに大きな魅力です。ただしこうしたやりがいは心身両面の負担をもたらすことも多く、万一何かトラブルが起こったときには責任を負わなければならない、あるいは中間管理職であるために、現場と経営側との間で板ばさみになるといったケースもよく見られます。
3.どうして転職するの?主任保育士の転職理由とは?
せっかく主任保育士にキャリアアップできたにも関わらずその職場を離れて転職してしまうケースも多く見られます。これは主任保育士という役割の難しさや待遇の問題が深く関わっています。
保育士への指導が難しい
転職理由としてよく挙げられるのは保育士への指導の難しさです。主任保育士は現場を統括する立場で保育士がミスをした時には注意や、改善の努力をする役割が求められています。
保育士に対する厳しさの加減も難しい
新人やブランクから復職した保育士を教育する役割もあるため、どこまで厳しく接すればよいのか、職場の人間関係を壊さないように環境を改善するためにはどうすればよいのかといった悩みを抱えてしまいやすいのです。
とくに人間関係の悩みが転職理由になるケースが非常に多く見られます。
負担の割に給与が増えない
収入の問題があります。キャリアアップしたとはいえ主任保育士になることで収入が大幅に上昇するケースはほとんどありません。ほんのわずかな手当が就く程度で基本給は変わらないこともあります。
増えた負担に対して上がらない給料に不満を感じて辞めてしまうことも多いのです。こうした転職理由は主任保育士という仕事そのものの問題ともいえるでしょう。
4.主任保育士の転職注意点
主任保育士が転職する場合には次の職場でどのような環境・待遇で働きたいのかをできるだけ明確にしたうえで職探しを行っていくことが大事です。
次の職場でも主任保育士として働くことになるかも?
特に注意点として挙げておきたいのは次の職場でも主任保育士として働く気があるかどうかです。主任保育士のキャリアは転職の際に大きな武器になるのは間違いありませんが、一方では転職先でも主任保育士を任されるケースも見られます。
例えば担任を持つことができない、園児の保育以外の仕事が増えたのを不満に前の職場を退職した場合には主任保育士ではなく一般の保育士として働ける職場を選んだほうがよいでしょう。
給与面は事前に確認しておくことが大切
もうひとつの注意点は収入の問題です。これは転職のおもな理由ともなっていますが、主任看護師になって仕事や責任が増えた一方、それに見合う収入を得られるかどうかが職場の評価を決める重要なポイントです。
もし主任保育士として雇われる場合にはどの程度の昇給が期待できるのか、手当が支給されるならどの程度なのかをあらかじめ確認しておくようにしましょう。
5.主任保育士の転職求人の探し方
主任保育士の転職求人を探す際には最初から主任保育士として採用される求人を探すのか、それにこだわらず広く求人を探していくのかを決めておきましょう。
主任保育士の求人は選択肢が狭い
主任保育士としての採用を前提した求人となるとかなり選択肢が狭まってきますから、主任保育士としての待遇によほどのこだわりがない場合にはまず広く保育士全体の求人から探していくことが大事です。
その上で過去のキャリアをアピールしつつ将来的に主任保育士にキャリアアップできるかどうかを見極めてみましょう。
仕事内容に見合う給料の職場を探そう
収入面も大事です。主任保育士を募集しているのはいいものの、その仕事内容に見合う給料がもらえるのかどうか。
職場によっては手当てのみで基本給が変わらないといったケースも見られるので注意しましょう。
保育士転職サイトをうまく活用しよう
求人情報だけではなかなか情報を入手するのが難しいため、保育士転職サイトをうまく活用するのがオススメです。
転職サイトの担当者から詳しい情報やアドバイスをもらいながら自分にあった主任保育士の転職求人を選んでいきたいところです。
まとめ
規模に関わらず保育所・保育園では必ず複数の保育士が勤務しています。主任保育士は現場で働く保育士のリーダーとして指揮をとるほか、保育士の教育やシフトの作成などにも深く関与します。
そのため園児だけでなく保育士ひとりひとりの性格や健康状態、保育士同士の相性なども把握したうえで職場が円滑に進むよう管理していく役割が求められています。
保護者にとっては相談窓口にもなりますし、経営側から見れば現場の声を拾い上げるうえでの大事な存在でもあります。
それだけに責任も重く、やりがいを感じられる管理職ともいえるでしょう。なるためにとくに資格は必要なく、現場でキャリアを積んだベテラン保育士が担当するケースがほとんどです。
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ホイミー(元保育士)

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